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課題別指針



カ テ  ゴ リ


分野課題の概況

更  新  日


2012/05/14 10:02



分 野 課 題


情報通信技術 情報通信技術






主  管  部


経済基盤開発部、情報通信技術課題タスクフォース






ト ピ ッ ク ス

















1-3国際的援助動向





情報通信技術の概況

 国際的援助動向
  九州沖縄サミット
  国連ミレニアムサミット
  世界情報社会サミット(WSIS)
  主要ドナーのICT分野支援方針
 



情報通信技術の概況

国際的援助動向

九州沖縄サミット

 2000年7月の九州・沖縄サミットにおいて、「グローバルな情報社会に関する沖縄憲章」が採択された。同時に、「ICTが提供する機会(デジタル・オポチュニティ)の活用」と「情報格差(デジタル・デバイド)の解消」のための作業部会「ドット・フォース(Digital Opportunity Taskforce)」が設置された。ドット・フォースには、G8政府だけではなく、G8以外の9カ国政府、企業、ビジネス団体、NPO、国際機関からは、国連開発計画(UNDP)、世界銀行、国連経済社会理事会、国際電気通信連合(ITU)、ユネスコ、国連貿易開発会議(UNCTAD)、経済協力開発機構(OECD)が参加した。

国連ミレニアムサミット

 2000年9月ニューヨークで開催された国連ミレニアムサミットにおいて、国連ミレニアム宣言が採択され、ミレニアム開発目標(MDGs)が共通の目標としてまとめられた。
 MDGsは、2015年までに達成すべき8つの目標を掲げ、18のターゲットを示した。ICT分野に関しては、目標の1つである「開発のためのグローバル・パートナーシップの推進」の下でのターゲットとして「民間セクターと協力し、特に、情報通信分野の新技術により利益が得られるようにする」と記された。

世界情報社会サミット(WSIS)

 2003年1月には世界情報社会サミット・アジア地域会合が開催され、アジアの多様な言語や文化を踏まえた情報社会の発展を目指す「東京宣言」が採択された。
 2003年12月ジュネーブで開催された世界情報社会サミット(第1フェーズ)では、首脳レベルで情報社会に関する共通のビジョンの確立を図るとともに、そのビジョン実現のための基本宣言および行動計画を策定した。
 基本宣言では情報社会の鍵となる11原則を定めており、その中には「ブロードバンド」や「ユビキタスアクセス」などの情報インフラの整備、人材開発、国際協力及び地域内協力などが含まれている。
 また、2005年5月にはわが国において、ユビキタス社会に関するWSISのテーマ別会議である「東京ユビキタス会議」が開催され、ユビキタス社会実現に向けた具体的な方策や想定される課題への取組みについて提言が取りまとめられた。同会議で取りまとめられた議長報告については、2005年11月にチュニス(チュニジア)で開催されたWSIS第2フェーズに入力され、第1フェーズで取りまとめられたデジタルデバイドの解消に向けた財政的枠組みに関する合意の確認及びジュネーブ行動計画のフォローアップ等がなされた。世界情報社会サミット(WSIS)ジュネーブ基本宣言及び行動計画でも、全ての人々が、ユビキタスに手頃な料金でアクセスが可能となる情報通信インフラを開発すること等の重要性が強調されている。
 WSISチュニス会合の結果を受け、国連はインターネットガバナンスフォーラム(IGF)の事務局を設置した。IGFは、インターネットに関する公共政策課題について議論するフォーラムで、2006年11月にギリシャで第1回目の会合を開催して以来、2011年9月のナイロビ会合まで6回の会合が開催されており、今後もインターネットに関する公共政策課題の議論が行われる予定である。

主要ドナーのICT分野支援方針

 主要ドナーのICT分野への支援方針は表1-2の通りである。

 表1-2 主要ドナーのICT分野支援方針
援助機関
支援方針
世界銀行
(WB)
貧困の削減と対象国・地域の利益向上をIT県連事業の最重要課題と位置づけ、そのためのセクター改革の策定および実施を中心に支援を行う。
アジア開発銀行
(ADB)
地方や山岳地帯などの通信サービス未提供地域への情報通信インフラ整備支援やICTリテラシーの向上に向けた支援を行う。
国際電気通信連合
(ITU)
ICTは政治、経済、社会、文化の発展にとって不可欠なものであるという理念のもと、人材育成や通信政策および規制に関する支援に力を入れる。
国連開発計画
(UNDP)
ICTを単に経済成長を促進する道具とするだけでなく、自立発展可能な人的開発と貧困削減を促す効果的手段としてとらえ、インターネットによる遠隔教育・医療、環境管理、政治参加の機会提供などの支援を行う。
カナダ国際開発庁
(CIDA)
ICTの発達は生活全般に影響を与え、また経済発展や生活の質の向上をもたらし、持続可能な開発を可能にするものとしてとらえ、人材育成、制度整備等について協力し、途上国が民間資本活用の環境を整えるための支援を行う。
国際開発研究センター
(IDRC)
ICTの活用を社会的経済的公正、環境・自然資源管理とともに達成目標の一つとし、途上国の人々や研究者が開発に関する問題を解決するためにICTを使えるようになるような支援を行う。
スウェーデン国際開発協力庁
(SIDA)
途上国での電気通信ネットワークやその他ICTインフラの未整備や人材の不足が世界の情報源へのアクセスを困難にしており、このデジタル・デバイドが途上国の経済発展を脅かしているとの考えから、途上国でのICT利活用の支援を行う。
米国国際開発庁
(USAID)
情報は開発を行う上で最も重要な要素であるという認識のもと、途上国が知識と情報によって健全な発展を遂げるための支援を行う。

 なお、上記国際機関のドナーとは別に、ICTセクターにおける民間の活動も多様化しており、ICTを推進する大きな力になっている。以下にその一例を示す。

・M-PESA
 イギリスのVodafoneは英国国際開発省(DFID)の支援を受け、携帯電話を利用して送金ができる新しいサービス「M-PESA」を2007年からケニアで行っている。携帯電話のSafaricomのネットワークを使って送金、支払い、預金・引き出し、借入・返済、保険、年金など多様な用途に使われている。送金にかかる費用を低く設定しているので、小額の送金を頻繁に送りたい現地の人々のニーズに合致している。2010年5月時点でM-PESAはケニアでの顧客数が900万人を超え、タンザニアなど他国にもサービスを拡大している。

・シェアド・アクセス
 携帯電話を購入する収入の余裕がない層を対象に、低い料金で電話利用を可能にするサービスである。Vodacomは南アフリカでフランチャイズ経営を営む「電話ショップ」を人々に提供して利用者のニーズに応えている。南アフリカ全土には4,400以上のショップがあり、その利益の一部は貧困地域にも還元される仕組みは地域振興にも貢献している。
音声電話の提供サービスと同様に、インターネットへのアクセスが経済的に困難な層や旅行者にとってのインターネットカフェは既に多くの国で普及しているが、Vodacomはタンザニアで中古のコンテナを利用した安価なインターネットカフェを普及させている。

・BOP向けサービス
 MicrosoftやIntelなどの大手企業も、BOP層向けに新たな商品開発に力を注いでいる。Nokiaはアフリカなどで、機能を最小限におさえた携帯電話を低価格で販売している。1台の携帯を複数の人たちで共有できるようにアドレス帳を工夫したり、文字が読めない人たちのためにアイコンを多用した表示をしたりするなど、BOP層にとって利用しやすいサービスを提供している。また、「Nokia Life Tools」と呼ばれる携帯電話情報サービスは、医療、農業、教育、娯楽などに関するリアルタイムの情報をBOP層に届けており、2011年4月時点でナイジェリアを含めた4か国で約1,500万人以上が利用している。

・ヴィレッジフォン
 グラミンテレコムはバングラデシュの貧困層に通信サービスを提供するために1995年に設立された非営利企業でグラミンフォンへ出資している。また、マイクロファイナンスを扱うグラミン銀行は農村部の人々に低金利の融資を行う。融資を受けた農村部の人たちはその資金で携帯電話機を購入し、グラミンテレコムから通話時間の再販を受けて、それをエンドユーザーである村の住民たちに小売する。このシステムによってバングラデシュにおける農村部の電話普及率は急速に改善している。

 以上の例は民間のアイデアによる開発例であり、先進国や国際援助機関から途上国への支援ではなく、ボトムアップアプローチである。したがって、このようなアプローチを促すような支援も視野に入れる必要がある。

 上記の民間活動の動向から判断して今後を予測するとすれば、携帯端末の急速な普及とそのアプリケーションの進化からみて、日常に必要な生活情報の入手や送金などの手続きも携帯端末からできるようになり、途上国における大きな生活改善がICTの利活用によってもたらされるものと推測できる。

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