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分野課題の概況

更  新  日


2012/05/14 10:03



分 野 課 題


情報通信技術 情報通信技術






主  管  部


経済基盤開発部、情報通信技術課題タスクフォース






ト ピ ッ ク ス

















1-4わが国の援助動向





情報通信技術の概況

 わが国の援助動向
 日本の包括的協力策
 開発途上国に対するわが国の貢献
 日本のe-Japan戦略、技術動向と国際的取り組み
 各省における取り組み  



情報通信技術の概況

わが国の援助動向

 2010年5月の「新たな情報通信技術戦略」において「新市場の創出と国際展開」を戦略の一つとしており、これを受けて「グローバル時代におけるICT政策に関するタスクフォース」は国際展開の方向性として「ICTを組み込んだ次世代社会インフラシステムを構築して国際展開を推進すること」、「グローバル展開推進体制の確立とファイナンス面での方策の充実・ODA資金の活用を推進すること」などが示された。
 係る方向性を踏まえ、2011年1月から「ICTグローバル展開の在り方に関する懇親会」を開催し、①グローバル市場の成長を取り込んだICT産業への転換、②課題先進国としての国際貢献、③グローバルな共働関係の構築の3点を基本理念として掲げている。

日本の包括的協力策

日本はICTに関する国際的な政策や協力の推進を表1-3のように行っている。

表1-3 日本の包括的協力策
名称
内容
アジア・太平洋経済協力(APEC)における活動日本は、APEC地域間で共有する目標の「ユニバーサル・インターネット・アクセス」および「ユニバーサル・ブロードバンド・アクセス」の推進等で協力している。2010年10月に開催されたAPEC全エコノミーが参加した電気通信・情報産業大臣会合で「沖縄宣言」を採択した。
アジア・太平洋電気通信共同体(APT)における活動日本はAPTを通じてアジア太平洋地域における情報通信基盤の健全な発展を目指した活動を行っており、2010年度は100名程度のICT人材育成、遠隔医療などの国際共同研究、東京でのAPT開発フォーラムなどを開催し、2011年度には災害管理ワークショップなどのATP関連会合を日本で実施した。
東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国との協力日本はASEAN諸国に対する技術協力プロジェクトやICT専門家の派遣などで人材育成施策等を行っており、2011年には情報通信大臣会合を開催し、「日本とSAEANの情報通信分野における作業計画2011」を策定した。また、ICT分野でのASEANとの協力関係を一層強化するために「日中韓によるASEAN向け人材育成ワークショップ」や「ASEAN情報セキュリティ政策会議」を2011年に開催した。
国際電気通信連合(ITU)活動への参加日本は無線通信部門(ITU-R)、電気通信標準化部門(ITU-T)での活動のほか電気通信開発部門(ITU-D)において途上国への開発支援を行っている。2010年には「ワイヤレスブロードバンドネットワーク会議」の開催、2011年には「医療健康分野におけるICT利活用に関する会議」を東京で開催するなどの活動を行った。
インターネットガバナンスフォーラム(IGF)への協力IGFはインターネットに関する公共政策課題を議論するフォーラムで、2011年には6回目の会合がケニアで開催され、日本は引き続きIGFへの協力を行う。
G82011年にフランスで開催されたG8サミットでは、優先課題の一つとして「インターネット」がとりあげられ、その経済成長への原動力であることが確認されるとともに、①クラウドコンピューティング等の新たなサービスによるイノベーション・成長の機会の認識、②知的財産侵害への対応、個人情報保護、セキュリティ等における国際協力の推進、③児童のための安全なインターネット利用環境整備等について採択された。
経済協力開発機構(OECD)への協力日本は、情報・コンピュータ・情報政策委員会(ICCP)を通じてICTに関する政策課題等についての調査検討を行っている。2011年に開催されたICCPでは、「クラウドコンピューティング等インターネット経済の未来」などのテーマについて引き続き議論することが確認された。
アジア諸国との二国間政策協議等クラウドコンピューティングの在り方についての政策対話である「第1回日韓クラウド政策対話」を2010年に韓国で開催し、2011年には第2回の対話を実施。また、2010年には包括的な協力関係を推進していくことで合意し、「情報通信分野における協力に関するベトナム情報通信省との覚書」に署名し、さらに「情報通信分野における協力に関するインドネシア通信情報省との文書」を交換した。
中国との二国間協力日本は、ICT分野での発展が著しい中国との協力関係を強化するために、2010年に「日中ハイレベル経済対話」の場を設け、Internet Protocol version 6(IPv6)やコンテンツ分野などについて議論し、今後具体的な取組みを進める。
インドとの二国間協力日本は、2010年インドとの間に「日印ICT成長戦略委員会を」を発足させ、ICTにおける協力関係を一層強化することを目指して、日本からインドに対するICTの展開等についての枠組みを議論した。

 以上に加え、日アセアン間では以下のような活動がある。

1、日本からのインドネシアICT官民ミッション(2011年8月23日)は、インドネシア通信情報省に対して「防災ICTに関するプロジェクトの実施」、「セキュリティ分野での連携」、「その他ICT利活用分野での協力」を提案。インドネシア側からはITC利活用分野に関する提案、今後双方で協議しつつ具体的なプロジェクトを推進していくことで合意。また、インドネシア国家防災庁/気象気候地球物理庁に対しては日本側から「日本の防災ICTシステムに関する具体的な協力」を提案。

2、日本の総務副大臣のベトナム訪問(2011年10月11日)において、先方情報通信省大臣に対し日本側より防災、環境等のICT利活用分野およびインフラ構築に関する具体的協力の早期実施を要請。ベトナム側からは日本との具体的協力について積極的に進む方向で合意。

3、APT第12回総会(2011年11月16日~18日)は済州(韓国)で開催され、以下の内容を含む「APT戦略計画2012年~2015年」を承認。
 ICTの先導的な地域組織としてのAPT活動強化
 アジア太平洋地域におけるブロードバンドエコノミー促進
 加盟国の人材育成強化

4、日ASEAN首脳会合(2011年11月18日)がインドネシアで開催。以下を含む「日ASEAN首脳共同宣言(バリ宣言)を採択。
 スマートネットワーク構想等のICT分野における協力強化、AHAセンターを通じての防災分野における協力強化
 その他、インフラ整備および防災分野の協力の推進

 また、2011年12月9日にネーピードー(ミャンマー)で開催された日アセアン情報通信大臣級会合において日本は「ASEANスマートネットワーク構想」を提言し、その実現のためにフィージビリティ調査の実施および次の分野での協力を表明。
 インフラ構築(先進的ICTインフラを持つ日本の技術やノウハウの展開)
 人材育成(様々な分野におけるICTの活用を目指した人材育成)
 先進的なICT利活用方法の提案(日本が持つ課題解決型ICT利活用モデルの展開)
 制度面での提言
 情報セキュリティ面での国際的な連携

開発途上国に対するわが国の貢献

 前節1-4-1で述べたICT分野における包括的協力策及び2000年7月に九州・沖縄サミットで採択された「グローバルな情報社会に関する沖縄憲章(IT憲章)」、同年11月のAPTアジア太平洋情報社会サミットの「東京宣言」において、国際的なデジタル・デバイド解消の重要性が指摘され、これらを踏まえた上で、2000年に策定された「IT基本法」及び2001年に策定された「e-Japan戦略」などにおいて開発途上地域に対する技術協力、国際的な協調・貢献の推進等が明記され、わが国として国際的なデジタル・デバイド解消に向けた取組を推進してきた。

 また、2003年7月には「e-Japan戦略Ⅱ」を策定し、ICTを軸とする新たな国際関係の構築を目指し、アジアICTイニシアティブの推進、ブロードバンド・ネットワークインフラ整備及び普及のための施策の推進、コンテンツ国際流通の推進、国際電子商取引の基盤整備、ICT人材育成、国際標準化活動の推進、ICT施策・制度支援ネットワークの運用など包括的な施策が盛り込まれ、国際協力関係をアジア地域から進め、さらに世界にも展開してゆく政策が掲げられた。また、日本から世界最高水準のコンテンツを発信し、国際社会への貢献を行うこととしている。

 2004年2月には「e-Japan戦略Ⅱ加速化パッケージ」を策定した。重点的に政策を展開すべき分野としてアジア等ICT分野の国際戦略を挙げ、アジア各国がICT化を進める中で各種システムの整合性、相互接続性及び相互運用性を確保し、相互利益を増大させるために、「アジアITイニシアティブ」の一層の具体化を図るとともに、「アジア・ブロードバンド計画」等のさらなる推進を図った。

 2004年6月に発表された「e-Japan重点計画-2004」ではこれまで定めてきた課題に対し成果目標を設定し、2005年の目標達成への施策の重点化・体制整備と2006年以降に向けての布石となる施策を盛り込んだ。アジア等ICT分野の国際戦略における成果目標は、2005年までに6カ国以上とICT分野における協力関係を構築し、アジア内の情報流通量を増大させることである。また2006年以降に向けての布石として、アジア等の周辺諸国のみならず、アジア以外の途上国に対してもイニシアティブを取ってデジタル・デバイドの解消に努めるとした。さらに2005年2月に発表された「IT政策パッケージ2005」により、「e-Japan重点計画-2004」の確実かつ早急な実施に向けた取り組みが明記された。
 
 2010年5月には、国民主権社会の確立を目指して「新たな情報通信技術戦略」が策定されている。
わが国の国際的情報格差問題に対するICT戦略の概要については表1-4のとおりである。

表 1-4 国際的情報格差問題に対するわが国のICT戦略
年 月
内 容
2000年11月
高度情報通信ネットワーク社会形成基本法(IT基本法)
高度情報通信ネットワーク社会の形成に関する施策を迅速かつ重点的に推進することを目的に策定された。開発途上地域に対する技術協力その他の国際協力を積極的に行うという旨の規定が第24条に定められている。
2001年 1月
e-Japan戦略
「我が国が5年以内に世界最先端のIT国家となる」ことを目的として、内閣に設置されている高度情報通信ネットワーク社会推進本部(IT戦略本部)が「e-Japan戦略」を策定した。
2003年 7月
e-Japan戦略II
これまでに整備されつつあるインフラを活用して、国民が便利さを実感できる仕組みの構築、医療や行政サービスなど7分野の重点項目での積極的な活用を目標にしている。 ITを軸にした新たな国際関係の展開が明記されており、包括的な強調関係をアジア各国と築き、多面的に展開することを目標としている。
2006年1月
IT新改革戦略
2010年に「いつでも、どこでも、誰でもITの恩恵を実感できる社会の実現」という目標に向け、国際貢献・国際競争力強化などの理念のもと、取組を推進。
2009年4月
デジタル新時代に向けた新たな戦略‐三か年緊急プラン‐
①電子政府・電子自治体、医療、教育・人財プロジェクトの推進、②産業・地域の活性化及び新産業の育成、③デジタル基盤の整備、に重点を置く。特に、教育・人財プロジェクトに関しては国際的に日本初の世界最先端の教育モデルの構築を目指す。
2009年7月
i-Japan戦略2015
 デジタル技術による「新たな行政改革」を記述。電子政府・電子自治体、医療・健康、教育・人財を重点分野とする。国民主役の「デジタル安心・活力社会」の実現を目指す。
2010年5月
新たな情報通信技術戦略
 新たな国民主権社会の確立を目指して、①国民本位の電子行政の実現、②地域のきずなの再生、③新市場の創出と国際展開、の3つを重点戦略とする。

日本のe-Japan戦略、技術動向と国際的取り組み

 日本のe-Japan戦略は2001年1月発表の戦略に始まる。この戦略では2005年までに世界最先端のICT国家になることを目指し、国の優先政策とし、次の5つを重点目標に置いた。

①世界最高水準の高度情報通信ネットワークの形成
②人材の育成並びに教育及び学習の振興
③電子商取引等の促進
④行政の情報化及び公共分野における ICTの利活用の推進
⑤高度情報通信ネットワークの安全性及び信頼性の確保

 政府は自らの取組みとして、電子政府の実現、情報セキュリティの確保による安全な利用環境の整備、デジタル・デバイドの是正や基盤的技術の研究開発、国際連携の推進といった民間主導では必ずしも実現し得ない部分について、予算の重点的・効率的な配分及び執行に留意しつつ、積極的に対応していくことの必要性を提唱している。
 e-Japan戦略はその後「e-Japan戦略II」(2003年7月)、「IT新改革戦略」(2006年1月)、「i-Japan戦略2015」(2009年7月)、「新たな情報通信技術戦略」(2010年5月)という一連の戦略を経て、2010年5月の「新たな情報通信技術戦略」では新たな国民主権の社会の確立を提唱するに至っている。

各省における取り組み

 政府は、JICA等とも協力しつつ開発途上国における情報通信分野の持続的発展に対し、公的資金(ODA及び非ODA)を活用して積極的に貢献している。表1-5に「新たな情報通信技術戦略」における各府省の主な国際的施策を示す。
 また、2010年10月に沖縄で開催された第8回APEC電気通信・情報産業大臣会合において、会合のテーマである「社会経済の新たな成長を牽引するICT」のもと次の「沖縄宣言」をとりまとめた。
- 新たな成長へ向けたIC開発
- ICT利活用を通じた社会経済活動の向上
- 安全・安心なICT環境の推進
- 地域経済統合の推進
- ICT分野における協力の強化

表1-5 「新たな情報通信技術戦略」の主な国際展開
項目
内容
主たる関係機関
ⅰ)アジア太平洋地域内の取組アジア太平洋域内を知識経済化し、我が国と一体となった成長を実現するため、域内の情報通信基盤の整備、電子商取引推進のための基盤整備、情報通信技術に係る我が国の人材育成・評価ツールの域内への展開・普及支援等を推進するととともに、我が国が強みを有する情報通信技術の開発、標準化等をアジア諸国と連携して推進する。また、情報セキュリティ対策セミナーの開催、工場・データセンターの省エネ診断などを行うミッションの派遣等を実施する。さらに、2010年度のAPEC会議にむけて、APEC域内の情報通信技術利活用の推進、我が国情報通信技術産業のアジア等への進出機会創出のため、情報通信技術の利活用による、環境、医療、行政サービス、災害対応など様々な社会経済活動のスマート化・インフラの高度化をめざすアジェンダを提案するべく、関係府省の連携の下、具体案を検討する。外務省、総務省、経済産業省
ⅱ)国際物流における貨物動静共有ネットワークの構築国際物流用に制度化されている周波数を有効活用し、国際物流に用いる電子タグの国際標準化等を進め、APEC諸国等との協力のもとコンテナ等貨物動静の共有ネットワークを構築する。これにより、発荷主から受荷主までの国際物流トレーサビリティを抜本的に向上させ、製造業の世界最適生産・物流管理の実現や動産担保金融の容易化、国際複合輸送のグリーン化、貨物セキュリティ強化等を進める。総務省、外務省、経済産業省、国土交通省
ⅲ)情報通信技術グローバルコンソーシアムの組成支援我が国の情報通信技術関連システムの海外展開に向けて、民間主導の情報通信技術グローバルコンソーシアム(開発調査、プロジェクトの組成、ファイナンス等を実施)の組成を支援するため、2010年度中に、関係府省が連携して検討・推進体制を整備し、官民の役割分担をはじめとする具体的なアクションプランを策定する。外務省、総務省、経済産業省
ⅳ)情報通信技術による公共調達市場の拡大各国の公共調達市場の透明性を確保し、相互参入の拡大を図ることにより我が国企業による海外の公共調達市場への参入を促進するため、情報通信技術の活用による国内公共調達情報の英語等による一元的な提供を推進するとともに、地方自治体も含めて欧米やアジア太平洋地域との公共調達情報のフォーマットの統一等による公共調達情報の共有化に向けた枠組みを多国間で整備する。外務省、総務省、経済産業省

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