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課題別指針



カ テ  ゴ リ


アプローチと重点項目

更  新  日


2012/05/14 10:11



分 野 課 題


情報通信技術 情報通信技術






主  管  部


経済基盤開発部、情報通信技術課題タスクフォース






ト ピ ッ ク ス

















開発戦略目標2 ICT人材の育成





開発戦略目標2 ICT人材の育成
 中間目標2-1 技術者の育成
 中間目標2-2 政策担当者の育成
 中間目標2-3 ICTリテラシー向上


開発戦略目標2 ICT人材の育成

 ICTインフラを効果的に機能させるためにはICT人材が不可欠である。人材としては、ICTインフラを運用・維持管理する技術者、ICTコンテンツ開発やSE人材、それにICTを社会システムとして有効に機能させるための政策担当者の育成が必要であり、そしてICTを利用する側への啓発や教育も必要となる。このことから、ICT人材育成の中間目標として「技術者の育成」、「政策担当者の育成」、「ICTリテラシー向上」の3つを設定した。

中間目標2-1 技術者の育成

 技術者育成において重要なのは、一定(以上の)技術レベルを持った人材を、一定数以上確保するという、質・量両面の要求を充足させることである。
 技術レベルを確保するためには、何らかの形で資格試験や技術者登録(Registered Engineer)といった制度が必要となってくる。例えば、日本では1969年から経済産業省(当時は通商産業省)が、「情報処理技術者試験」制度を実施している。また、日本政府のe-Japan構想には、ITスキル標準策定・普及事業として国際標準との調整を含む高度なIT自在の能力判定基準の標準化や、アジアe-Learningの推進として情報処理技術者スキル標準の相互認証や普及などが盛り込まれている。
 特に、ICT分野では、取り巻く環境の変化が急激であり、いったん制定した制度も常に時代に即したものに変えていかなくてはならない。実際、日本のこの制度も、業界の動向を反映して、新たな資格を追加するなど試験内容を変更してきており、2009年からは12の試験区分をもつ新試験制度へ移行している。したがって、援助を考える際にも、こうした資格制度に限らず、全ての協力において「初期の創設」だけでなく「常に内容を見直していく仕組み」を視野に入れた協力が求められる。

質と量をバランスよく確保することが重要。
 一方、数の確保という観点からは、ターゲット層に関し、二つの視点が必要と言える。まず、最初に、公務員、民間人を中心とした既に社会で活躍している層へICTを浸透させることである。ICT自体は最終目標ではなく、あくまで他の目的を達成するための手段であり、これらのターゲット層は既に実務を理解しているので、ICTを習得することにより、素早い効果の発現が期待できる。もう一つは、教育段階での、これから社会に出て行く層の育成である。長期的視野でみれば、新しい技術者を育成していく必要があり、高等教育レベルは言うまでも無く、むしろ初中等教育からICTを積極的に導入していき、技術者層の裾野拡大を図ると共に、基礎的な能力としての、いわゆるcomputer literacyを身に付けた人材を広く育てていくべきである。

教育者は、量よりも質を重視すべき。
 また、教育レベルを上げていくためには、技術者を育てる教育者が必要となる。ここでは、教育者の果たす役割と責任を考慮し、いたずらに量を確保することよりも、質の高い教育者を育成することに重点を置くべきである。ここでも専門学校、ポリテク、高等研究機関、研究機関など、協力の相手方として幅広い範囲が考えられる。

JICAの取り組み
JICA沖縄国際センターでのICT関連研修。
1985年の開所以来、JICA沖縄国際センターでは、コンピュータコースと教育メディア技術研修を実施してきた。当初、情報処理技術者養成コースとして大型汎用機(ホスト)を利用してスタートしたコンピュータコースは、その後の定期的なコース内容の見直しにより、93年度からはホストとC/S(クライアント・サーバ系)を半々に、更に97年度以降はホストを廃止し、全てC/S系の研修に移行してきた。2005年以降は単なる技術者の養成に留まらず、電子政府の推進および外部委託の主流化を念頭に置き、技術研修に加えてリーダーシップやネゴシエーションをはじめとしたヒューマンスキルの要素も取り入れた。2011年度はICT研修コースとして以下の6コースが用意されている。
①電子政府推進のためのWebアプリケーション開発
②電子政府推進のための戦略的組織力強化(A)
③電子政府推進のためのセキュリティ強化
④電子政府推進のためのシステム運用管理
⑤電子政府推進のための戦略的組織力強化(B)
⑥電子政府推進のためのIPネットワークの構築と運用管理

2011年12月現在、①から③までで26名が研修中であり、④から⑥までは32名が研修予定である。ちなみに、2002年度から2011年度まで10年間のICT関連コースにおける延べ研修人数は1,399人(一部予定人数を含む)となり年間平均研修人数は約140人に及ぶ。

技術革新の速いICT分野での技術協力は、常に内容を見直していく必要がある。
 技術革新が速いICT分野の研修は、途上国の必要とする技術の研修を実施できるよう、時代の変化にあわせるように常に内容を見直す必要がある。
 また、情報技術分野人材育成計画では、WBT(Web Based Training)コンテンツ開発者、研修コースの設定、運営のノウハウを提供する協力が実施されるなど、いわゆるtrainer’s trainingを実施してきている。
 他に、相手国の対象機関として、政府機関の研究所などに加え、大学やポリテクニックなどの高等教育機関に向けた協力が増加傾向にある。長期的視野にたった、技術者の裾野拡大という観点で、将来の技術者育成に大きく貢献しているといえよう。

ボランティア事業による現場での教育者指導も広がっている。
 さらに、青年海外協力隊、シニア海外ボランティアなどの教育現場での活動の中には、学生・生徒のみを対象とせず、むしろ教員育成、指導等に携わる者もいる。

中間目標2-2 政策担当者の育成
 
 政策担当者の育成は、比較的困難な部分があることは否めない。すなわち、技術に関しては、正しい/正しくないがハッキリしているのに対し、政策に関しては、同じ政策であっても評価が割れる部分が出てくる可能性がある。
 また、日本側の人材も、どうしても政策官庁(総務省、経済産業省)を中心とした限られたリソースに頼らざるを得ない面があり、技術者や教育者の育成に関わるリソースと比べれば、不十分である。

相手国の実情に即した柔軟な姿勢が求められる。
 さらに、被援助国側の社会体制、慣習、基本政策等、単純に日本のモデルを展開しても、十分な効果が発揮できないばかりか、むしろ協力に対する反発を生みかねない部分もあり、相手国の実情に即した援助プログラムの構築と、必要に応じて柔軟に変更していく姿勢が求められる。

JICAの取り組み

「官房長付計画アドバイザー」、「電気通信政策」、「ICT政策」といったアドバイザー型の専門家派遣、「経済構造調整支援(ICT部会)」開発調査などの案件が実施されている。これらの協力では、単にアドバイスをしたり開発調査の結果を与えたりするだけでなく、その過程において相手国の政策担当者の育成に寄与していると考える。
また、JICA東京国際センターでは、2010年度に「電気通信政策」研修を実施している。この研修コースでは、電気通信主管庁の政策担当者課長クラスに対して、わが国の電気通信事業民営化の背景、経緯、現状、政策等の研修を行うことで、電気通信事業民営化に伴う政府による規制、政策策定を支援している。JICA東京国際センターでは2010年度と11年度に上記研修の他に「電気通信標準化」、「地域情報発信能力強化」、「通信インフラストラクチャ構築のための標準化」のコースを開催しており、「電気通信政策」と合わせると40名の修了生を輩出している。

中間目標2-3 ICTリテラシー向上

 ICTリテラシーの向上には、ユーザリテラシーの向上支援、コンピュータやネットワークに対するセキュリティ等のユーザ啓発、教育への導入をサブ目標として含む。例えば、地方に住んでいてICT環境にふれる機会が少ない住民に対するコンピュータ利用機会の促進や、ネットワークによる遠隔サービスの利用などが考えられる。

JICAの取り組み

開発調査で、地域インターネットセンター(RIC)を拠点とした地域情報化のアクションプラン策定及びモデルプロジェクトの計画・実施支援を行っている。その他、ICTリテラシーの向上に以下等のプロジェクトを実施している。
 IT教育近代化プロジェクトフェーズ2(ボスニア・ヘルツェゴビナ)
  (実施期間:2010年8月~2013年8月)
 電子教材管理を通したQRC能力向上プロジェクト(ヨルダン)
  (実施期間:2010年8月~2010年12月)
 ICTを活用した理科教育のためのLRC機能強化プロジェクト(ヨルダン)(実施期間:2006年3月~2009年2月)


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添 付  資 料


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