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カ テ  ゴ リ


分野課題の概況

更  新  日


2012/05/14 10:26



分 野 課 題


情報通信技術 情報通信技術






主  管  部


経済基盤開発部、情報通信技術課題タスクフォース






ト ピ ッ ク ス

















【放送】放送の概況 1-2放送の定義





放送の定義

 1-2-1 放送の定義
 1-2-2 放送の種類
 

放送の概況

放送の定義

放送の定義

 放送とは、わが国においては放送法第二条第一号にて「公衆によつて直接受信されることを目的とする無線通信の送信」と定義されており 、本資料においても同様に定義することとする。
放送は技術的には通信の一形態であることから、主要ドナーや国際機関では、一般的に「ICT」分野のコンポーネントのひとつと位置づけており、放送分野を独立した分野として取り扱い、指針を定める機関はほとんどない。わが国においても同様に、外務省ではICT分野の政策に放送分野を含めているほか、総務省では「情報通信白書」 にて放送分野の動向などを毎年公表している。
 また、多くの途上国では、国家開発計画を受けてICT分野の行動計画を作成しており、放送分野についてもその中で触れられていることが多い。特に、公共情報の伝達、文化振興、経済活動の活性化、教育・医療分野など他の開発課題での活用、といった点で重要な社会基盤として認識されており、放送局や送信設備の整備、利用者の普及に重点が置かれていることが多い。
 しかしながら、放送は通信と異なり、不特定多数への送信という側面から規制が必要な場面も多く、1-1で述べたマスメディアとしての社会的インパクトの大きさも加味した上で、本資料においては別の章立てとして取り扱うこととした。なお、放送のデジタル化とインターネット網のブロードバンド化により、放送と情報通信の境界が曖昧になってきている。そこで、将来的に放送分野に関係すると考えられる内容(デジタル放送やインターネット放送等)については、ICT分野に関する情報であっても記載することとした。
 本資料において、放送分野の協力とは、放送の利活用を促進するための諸施策または技術を習得するための諸施策を目的とした案件とする。また、目的に含まずとも、他分野の協力にて放送が成果の一部や活動の一部に含む案件についても、本資料における分析の対象としている。なお、放送にはテレビ放送やラジオ放送以外にも、車内放送や駅構内の自動放送等、PA(パブリック・アドレス)と呼ばれる構内放送も含まれるが、本資料では放送のうち大部分を占めるテレビ放送とラジオ放送に絞り記載する。

放送の種類

(1)テレビ放送とラジオ放送

テレビ放送
 テレビの放送システムには、音声や映像の情報処理、信号処理、送受信など幅広い技術が利用されているが、近年のICTの進歩により、その発展にはめざましいものがある。例えば、伝送方式は従来の地上電波による放送方式や有線(ケーブル)テレビ方式から、放送衛星や通信衛星を介する方式へ広がり、さらにインターネットやIPなど通信の範疇に入る方式を利用するまでに発展した(表1-1参照)。
 これらの技術的変化は先進国に限らず、途上国のテレビ放送へも影響を及ぼしている。途上国では、先進国の放送局が辿ったアナログからデジタルへの段階的発展の経路の追従ではなく、新技術の動向を見据え、国情や目的に合ったテレビ放送を実現するための技術選択が必要となる。

表1-1 放送方式によるテレビ放送の種類
方式
地上放送地上の送信所から放送する放送方式。アナログ放送、デジタル放送がある。
デジタル放送は次の方式がある。
① アメリカ方式(STSC)
② ヨーロッパ方式(固定向け:DVB-T、移動体向け:DVB-H)
③ 日本方式(ISDB-T)
④ 中国方式(DTMB)
衛星放送人工衛星から放送する放送方式。用いられる人工衛星によって、BS放送(放送衛星)、CS放送(通信衛星)に分けられる。
ケーブルテレビケーブル(同軸ケーブルや光ケーブルなど)を用いて放送する放送方式。
新たな放送通信インフラを利用し放送するテレビ放送。
-インターネットテレビ :インターネット接続を介してインターネット上で提供される映像番組を視聴するもの。
-IP放送 :専用のIP網を介して管理されたネットワーク上で映像番組を視聴するもの。


 地上デジタル放送は従来のアナログ放送に比較して電波障害に強く、音声の高品質化や多チャンネル放送が可能であり、放送局からの一方的な送信機能に加え、受信者からのレスポンスができる双方向性機能がある。

ラジオ放送
 地上ラジオ放送は、受信機の設置や操作の簡便性、携帯性、受信機が安価、広い受信エリアといった特性を生かし、生活に最も密着した音声メディアといえる。また、非常災害時の情報伝達ツールとして利用されることも多い。一般的なラジオ放送の種類は、表1-2の通りである。

表1-2 放送方式によるラジオ放送の種類
長波放送長波を利用したラジオ放送。主にヨーロッパ、アフリカ、高緯度地域で利用されるが、事例は多くない。
AM(振幅変調)放送中波、短波を利用したラジオ放送。ノイズ等の耐性に弱く(中波)、季節や時間帯によっては放送が聞こえる周波数の変化が大きい(短波)が、遠距離への伝送が可能。
FM(周波数変調)放送超短波を利用したラジオ放送。範囲は狭いが、より多くの情報を高音質で伝達できる。コミュニティラジオ放送は超短波を利用している例が多い。
新たな放送通信インフラを利用し放送するラジオ放送。
-インターネットラジオ :インターネット上で音声コンテンツを配信するサービスを利用したラジオ放送。


 コミュニティ放送には様々な呼び名と定義があるが、一般的に、特定地域・コミュニティ・住民を対象とし、運営自体が非商業目的のラジオ・テレビ放送を指す。国によっては法や規制によってコミュニティ放送を定義している場合もあるが、多くは民間の地域放送との線引きが曖昧な状況にある。財源は国際機関・各国ドナー・NGOによる資金援助、政府補助金、寄付、広告収入などであるが、国によってはコミュニティ放送の財源を制限している場合もある。対象となる住民自身が設立または参加していることが重要要素の一つとされ、放送の実施自体が目的ではなく、番組制作や運営に係る全てのプロセスが重要とされる。

BOX1-1 ラジオ・テレビに使用される周波数の種類とその特性
周波数特性
長波(LF: Low Frequency)波長は1~10km。非常に遠くまで伝わるが、大規模なアンテナと送信設備が必要。
中波(MF: Medium Frequency)波長は100~1000m。遠距離まで届くことから一般的なラジオ放送用として利用される。送信機や送信アンテナは大規模なものが必要だが、受信機は簡単なもので済む。
短波(HF: High Frequency)波長は10~100m。長距離の通信が簡単に行えることから、国際放送や遠隔地向けの国内放送に利用される。
超短波(VHF: Very High Frequency)波長は1~100m。直進性が強いが、山や建物の陰にもある程度回り込んで伝わることができる。短波に比べ多くの情報を伝えることが出来るが、放送局(送信所)から到達できる距離が短い。
極超短波(UHF: Ultra High Frequency)波長は10cm~1m。超短波より直進性が強いが、多少の山や建物の陰には回り込んで伝わることもできる。伝送できる情報量が大きい。

[出典]総務省 電波利用ホームページ



(2)通信と放送の違い

 通信については、電気通信事業法で「有線、無線、その他の電磁的方式により、符号、音響または映像を送り、伝え、または受けること」であり、特定間の情報交換(1対1)と定義されている。一方、放送については放送法で「公衆によって直接受信されることを目的とする無線通信の送信」であり、不特定多数への送信(1対n)と定義されている。通信においては特定される者同士の情報伝達であるため、憲法上も通信の秘密が保証されている一方、放送においては電波という公共資源を用いることから、情報のコンテンツに規制が課されることとなる。
 しかしながら、昨今の技術の進歩に伴い、通信と放送の境界線が曖昧になりつつある。例えば、インターネットのホームページは通信サービスを用いて提供されているにも関わらず、不特定多数の人に見てもらうために情報が発信されており、旧来は閉じたサービスであった通信が、「公然性を有する通信」となっているのである。
あるサービスが通信と扱われるか放送と扱われるかで、受ける規制は大きく異なる。通信と放送の区分をどのように制度的に扱うのか、わが国においても議論は続いている。

(3)放送のデジタル化

 アナログは連続した信号で情報を表すのに対し、デジタルは0と1の組み合わせで情報を表す信号である。その特性から、デジタル放送はアナログ放送に比べて様々な雑音に強く、影響をほとんど受けないため、情報を安定して送受信できる(映像が乱れないなど)という特徴がある。
 一般的に「デジタル放送」と表現する場合は、放送の送信・受信のプロセスがデジタル化されることを指しているが、番組制作・送出のプロセスについては、放送局が単独でデジタル化していくことで、制作・コンテンツ管理等に係るコストを削減していくこと等が可能である。
デジタル放送はアナログ放送と比べ、①品質が良く安定している、②多種類の情報を送るのが容易、③保守が容易、といった特長がある。また、情報の記録・保存がしやすいというメリットがある一方で、デジタル化によってデータが複製され易くなること、および複製されたデータが流通し易くなることから、著作権保護などの対策が必要になる。
 世界的に見てデジタル放送は、日本方式(ISDB-T)、欧州方式(DVB-T)、米国方式(ATSC)、中国方式(DTMB)の4種類がある。途上国を含め、既に多くの国で欧州方式が採用されており、日本方式は、2006年にブラジルが日本方式をの採用を決定した後、2011年10月時点で日本とブラジル以外に11か国において日本方式の採用が決まっている。


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