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課題別指針



カ テ  ゴ リ


分野課題の概況

更  新  日


2012/05/14 10:24



分 野 課 題


情報通信技術 情報通信技術






主  管  部


経済基盤開発部、情報通信技術課題タスクフォース






ト ピ ッ ク ス

















【放送】放送の概況 1-1放送の現状





放送の概況

放送の現状

 1920年代に放送が開始されたラジオ放送、1930年代に放送が開始されたテレビ放送は、その後、急速な技術の進歩を遂げて、重要な情報伝達媒体へと進化した。その重要性は世界共通であるが、特に開発途上国において放送分野がもたらすインパクトは3つに分類することができる。1つ目は、視聴者へ情報を伝達し、それにより人々の活動機会が多様化・広義化されることである。2つ目は、ラジオやテレビ放送が途上国や人々が抱える他の開発課題の解決のためのツールとして活用され、他課題の解決に間接的に貢献することである。3つ目は、公共のメディア (媒体)として人々に敏速かつ正確な情報を伝えることで、政治・社会的安定に貢献することである。前者2点は、運輸交通、都市開発といった他の社会基盤整備(インフラ整備)事業全体が持つインパクトと同じであるが、マスメディアとしての公共的役割を担う点が放送分野の特色である。

(1)直接的インパクト—情報伝達媒体としての重要性—
 ラジオやテレビ放送の最大の特徴は、不特定多数へ同時に情報を発信できる点である。特に識字率の低い地域では、音声で情報が伝達できるラジオ放送は有効な情報伝達の手段であり、また映像・音声・文字情報が同時に伝達できるテレビ放送は、活字媒体など他の媒体に比べ一度に伝えられる情報量が格段に多い。近年では送信機材の簡素化と価格の低下にともない、その地域の言語を使用し、生活に密着したローカル情報(市場情報、気象情報、地方自治体からのお知らせ等)を主に伝達するコミュニティ放送(ラジオ)が出現するなど、情報の受け手に合わせ、放送の手段と手法が多様化しつつある。

(2)間接的インパクト—ツールとしての重要性—
 ラジオやテレビ放送は、ツールとして活用することで、貧困削減など、他の開発課題における取り組みに対し情報活動を促進する有効な手段として利用することができる。特にラジオやテレビ放送は、広義の意味での「教育」に関する課題解決に有効なツールであり、保健医療の正しい知識や基礎教育の普及といった取り組みでの活用が可能である。例えば、学校教育の質の向上に取り組む場合、ルーラルと都市との教育の質の格差、教育へのアクセスの悪さ、就学生のジェンダー格差といった問題に対し、ラジオやテレビ放送を活用することでルーラル地域や自宅での学習を可能にするといった活用法が挙げられる。

(3)マスメディアとしての社会的インパクト
 マスメディアは、多くの人々に必要な情報を敏速かつ正確に伝える役割を担う。その情報とは単に事実の伝達や知識の普及にとどまらず、社会における監視役的役割として問題提起を行うことも重要な役割の一つである。マスメディアがその役割を十分に果たすことで、社会秩序の安定、民主化支援、政治的安定などへの貢献が期待される一方で、その影響力の強さから、過去・現在において煽動やプロパガンダのツールに利用されてきたことも周知の通りである。
 途上国ではメディア数が少ないことが多く、情報を提供できるルートも限られることから、情報の独占性が高く、マスメディアにはより高い公共性が要求される。公共性確保のためには、「表現の自由」が確保され、人々の間で情報の自由な市場が形成・発展できる環境が必要である。また人々がマスメディアから裨益するためには、情報発信者が複数確保され(情報の多元性の確保)、情報受信者が複数から情報を選択できること(情報の多様性の確保)も重要である。しかしこれらについては、政治体制やメディアに対する文化といった複雑なファクターが絡んでおり、マスメディア自身の努力や放送分野における協力のみでの環境整備は困難であると言わざるを得ない。

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添 付  資 料


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