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課題別指針



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2013/05/17 10:51



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指針2-2    JICAの貧困の定義と貧困削減協力の目的





引用元: 課題別指針「貧困削減」(2009年9月)の第2章「JICAの協力の方向性」(2-2)

JICAの貧困の定義と貧困削減協力の目的

 個々人の自己実現に向けた「潜在能力」や「人間の安全保障」を重視し、更には、貧困が差別や社会的排除と密接に関係しているとの認識の下、JICAでは、「貧困」を、以下のように定義する。
 
 貧困とは、「人間が人間としての基礎的生活を送るための潜在能力を発揮する機会が剥奪されており、併せて社会や開発プロセスから除外されている状態」である。また、貧困の多面性に着目し、更には、2001年に発表された『DAC貧困削減ガイドライン』の貧困の考え方に即して、基礎的生活を送り社会に参加するために、必要な能力は便宜的に、経済的能力、人的能力、保護能力、政治的能力、社会文化的能力の5つに分類される能力より構成されるものとする37

表1-1 DAC貧困削減ガイドラインにおける5つの能力

 経済的能力

(Economic Capabilities)

収入を得て、消費し、資産を持つことができる能力。食料安全保障、物質的豊かさ、社会的な地位を決定する要因である。これらの要因は経済的・物質的資源(土地、家畜、森林、漁業、クレジット、適切な雇用へのアクセスと深い関連がある。
 人的能力

(Human Capabilities)

保健、栄養、教育、安全な水や住居等を基礎とした能力。人々が生計を向上するための重要な手段であると同時に、幸福な生活を送るために必要不可欠な要素である。病気や非識字は、生産的な労働、収入の向上、政治・社会参加の障害になる。とりわけ、女子の教育は貧困削減及びエイズのような病気との闘いにおいて、極めて有効である。
 保護能力

(Protective Capabilities)

経済的ショック、外的ショックに対応できる能力で、貧困に陥ることを防ぐために重要である。不安定性と脆弱性は他の要因と強く関連しつつ貧困の重要な要因となっている。飢えや食料不足は病気、犯罪、戦争と並んで、貧困要因の中心問題である。貧困は、季節的な変化や外的ショック(自然災害、経済危機や暴動・紛争等)により発生するもので、貧困に陥ったり抜け出したりする動的なものであることを理解する必要がある。
 政治的能力

(Political Capabilities)

人権や政治的自由が保障されていること。これらが剥奪されていることは、貧困の一つの大きな特徴である。専制や不正、公権力による暴力は、貧困層にとって、大きな不安を与えている。政治的能力の欠如は、貧困から脱却するために、必要な資源へのアクセスも妨げる。
 社会文化的能力

(Socio-cultural Capabilities)

コミュニティの価値あるメンバーの一員として、社会参加できる能力。貧困層は、社会的地位や尊厳、帰属する社会の文化を重要なものと捉えており、地理的・社会的な孤立は、貧困の主要な要因である。

出所:OECD/DAC(2001)
 こうした定義の下、JICAの貧困削減協力は貧困層自身が潜在的に持つ経済的、人的、保護、政治的、社会文化的能力を強化し、これらの能力を発揮できる環境を整えることで、貧困層の一人ひとりが貧困状態から脱却することを目的とする。尚、JICAの貧困定義にある「社会や開発プロセスから除外されている状態」にある人々、即ち社会的弱者については、必ずしも貧困層と同義語ではないものの、前者が後者を形成する傾向があるため、本指針では、以降「貧困層」とした場合は、貧困層及び社会的弱者集団の両方を意味するものとする。


【脚注】
37: 表1-1のDAC貧困削減ガイドラインにおける5つの能力。本指針1-2を参照。

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添 付  資 料


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